日本にスギの木が多い理由を知ったら……(三重県伊勢市小俣町耳鼻科病院やのはらクリニック)

みなさんこんにちは耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。現在、スギ花粉症シーズンの真っただ中で、耳鼻咽喉科開業医としては1年で一番忙しい時期を過ごしています。昨年に比べると、患者さんの数は少なく、余裕をもって仕事できていますが、多い日は順番予約を制限したり、待ち時間でも患者さんにご迷惑をおかけしていると思います。ネットで順番予約がとれなくても直接来院いただければ(お待たせすることもありますが)診察させていただきますのでご容赦ください。

花粉症の患者さんにとって3月は、窓を開けられない、洗濯物を外に干せない、晴天の日曜日も手放しで喜べない、 ティッシュ1箱がすぐに消える悲しみ、目が痒すぎて仕事に集中できない、鼻詰まりで夜中に目が覚める、わが子が花粉症で苦しんでいると泣けてくる。このつらい状況がすらすらでてくるのは、僕もひどい花粉症だからです。診察室で、えらそうに診察している僕自身が、いつも目がかゆくて、いつも診察室でくしゃみをしているのは、このブログ内の秘密でお願いします(笑)

痒い目をこすりながらふと考え、調べてみました。『なぜこんなにスギの木はいっぱいあるのだろう?』実は、これほどまでにスギが増えたのには、日本の歴史と深い関係があるらしいのです。

今から約80年前、戦後の日本は焼け野原からの復興を目指していました。住宅を建てるための木材が圧倒的に不足していたため、国を挙げて「木を植えよう!」というプロジェクト(拡大造林政策)が進められたのです。その際、選ばれたのがスギでした。理由は成長が非常に早い、真っ直ぐに育つので加工しやすい、日本の気候(湿気)に合っているなどがあったようです。つまり人間の都合で人工的に増えたことになります。

その後、1960年代頃から海外から安い木材が輸入されるようになり、日本のスギは伐採される機会を失ってしまいました。スギは樹齢30年を超えると、大量の花粉を飛ばすようになります。戦後に植えられた膨大な数のスギが、花粉をたくさん飛ばしていることになります。

この文章を書いてるときに、現在のメガソーラの問題を思い出しました。田舎をドライブしていると、大規模な太陽光発電所を見つけることは簡単です。あの無機質な感じは景観にとって異様で、気分はよくないです。確かに資源のない日本にとって、エネルギー自給率をたかめる観点から必要です。また脱炭素や温暖化の対策としても有効なのでしょう(?)

しかし、ソーラーパネルには寿命がありリサイクルや廃棄の問題があります。またもっと効率のよい発電方法や、数十年後にもっと効率のよいエネルギーが出てきたときはあの大量のパネルはどうなるのでしょうか…。数十年後にはスギの木と同様に放置されるのでしょうか?

「早く、安く、良い家を建てる」ために、人間の都合で全国の山々にスギが大量に植えられました。それが戦後日本のベビーブームや経済復興の役にたちました。しかし、現在は人間の都合で使われなくなりました。その木が大量の花粉を飛ばしています。

どうでしょう花粉症のみなさん!スギの木に同情がわきましたでしょうか?そう考えると、杉もかわいそうで、花粉症も我慢できるのではないでしょうか?(笑)

…………そんなわけないですよね(笑)今日もしっかり薬飲みます!

薬を飲んでも、生活の質が上がらない患者さんは、舌下免疫療法など新しい治療もあります。また相談しましょう。