受診の価値を高めたい。今年もありがとうございました。 (三重県伊勢市小俣町耳鼻科病院ヤノハラクリニック)
みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。
今年話題になったことで、「宗教の多額のお布施問題」「ホストの売掛問題」や「いただき女子」など宗教や色恋に関連した金銭の授受により大きな金銭を失う人がいるとのことがありました。ニュースだけみていると、「家族を顧みず、なぜ生活費が無くなるほど宗教に多額のお布施をしてしまうのか⁉」「(女性を助けてあげたいと思っても)なぜ、メールだけで何百万円も払ってしまうのか?」「(たとえホストの存在が付加価値とはいえ)なぜ酒屋にいけば数千円で買える酒に、何十万円も払ってしまうのか⁉」と不思議に思ってしまいます。しかしこれらは「オレオレ詐欺に自分はひっかかるわけはないと言っている人」と同じで、メンタルがおちこんでいるときや淋しい時、病気になったときなど、やさしくしてもらった時に落ちてしまうことは誰にでもあるのかもしれません。また実際、宗教やホストの存在によって人生を立て直す人もいると思います。つまり、僕はお金を払ってしまう人の気持ちは少しはわかるのです。今後、自分にも起こりえるのかもしれません。
逆に全く理解できないのが、もらう側の気持ちです。相手がお金があまっている人ならいいですが、そうでない人から多額のお金をもらうことに罪悪感はでないのでしょうか?自分に相当の自信がなければ、常識範囲以上の対価をもらうことにプレッシャーを感じるはずです。平気で常識範囲以上のお金を請求できるのは、自分に大金を使ってもらうほどの価値があると本当に思っているのでしょう。(ものすごく楽しい時間をくれそうな)ホストの帝王ローランドさんと話せるなら、僕も大金を払ってしまうかもしれません(笑)
このようなことは、大学病院に勤務していたときは考えたこともなかったですが、「対価に見合う価値」を提供することは、医療関係者にとっても重要と思っています。
現在、僕は「やのはらクリニック」で耳鼻咽喉科の医療サービスを提供しています。「本当に患者さんの役にたてているか?」「自分の医療に、順番を待っていただくだけの価値があるのか?AIに負けてはいないか?」「料金にみあった治療を提供できているか?(幸い、日本では医療行為には保険点数が決められており、自分の価値を自分で値段をつけなくてもよいのは救いです。)」「数ある耳鼻咽喉科から当院をえらんでいただく価値はあるか?」などを常に考えながら診察しています。
ここ数か月、様々な感染症の流行で耳鼻咽喉科の患者さんが多い日が続いています。ネットの順番予約も機能しない日もあり、長い待ち時間や、ネットで順番をとっても時間が計算できないなどの不満があると思います。ひどい日には、子供の患者さんが夕食もたべて、お風呂も入ってからパジャマを着て21時くらいに診察の順番が回ってくる日もありました。その時は本当に申し訳ない気持ちと同時に、なんとか症状をとってあげて、遅くなったけど受診した価値があったと言わせたいと思うものです。
今後は予約システムも患者さんの意見を聞きながら、よりよいシステムにしていきたいと思います。また、僕も耳鼻咽喉科としてレベルアップしていきます。「患者さんが困っている症状をとってあげる」ことに徹底的にこだわり、「受診の価値を高めたいです」
待合にクリスマスツリーを飾りました。購入時は家庭的なものではなく、もっと大きなものを想定していましたが、ネットショッピングは難しいですね。飾ってみると、身長の低い僕とくらべても…(笑)北欧製の高級なものを選んだのですが、子供たちに喜んでもらいたいと、ぬいぐるみを付けたらやや安い感じに…(笑)25日まで飾るつもりです。
今年もあとわずかになりました。当院にとってリニューアル元年でした。患者さん、スタッフや近隣の医療機関の皆様のおかげで大きな問題なくクリニックを運営できました。本当にありがとうございます。
来年も、患者さんに『今日も受診してよかった』と言っていただけるようなクリニックにしていきます。よろしくお願いします。