インフルエンザワクチン すでに感染した人も打つべき?(三重県伊勢市小俣町耳鼻科やのはらクリニック)

みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。

最近は新型コロナ感染症の患者さんが明らかに減少傾向です。それと反比例するように、インフルエンザ感染症の患者さんが増えている印象です。まだ冷房をつけている時期からのインフルエンザの流行は初めての経験です。9月にインフルエンザで学級閉鎖もあったようです。当院では、例年10月からワクチンの接種を開始しますが、今年はワクチン接種前にインフルエンザに感染してしまった人もいると思います。そのため、このような質問をされることがあります。

「すでに感染した人もインフルエンザワクチンを打つべきですか?」

一般的に、インフルエンザに感染した方は抗体を獲得し、同株のインフルエンザにおいては感染しにくかったり、重症化をへらすと考えられます。しかし、インフルエンザウイルスは3種類くらいのウイルス株が同時に流行することもよくあるらしく、一度感染したとしても残りの株にまたかかるリスクはあるようです。インフルエンザワクチンは厚生労働省がその年の流行を予想して4種類の株を選定し、A型で2種類、B型で2種類の株に対応できるよう製造されています。

以上より、すでに感染した人もワクチンを打つメリットはあると言えます。

それではいつにワクチンをうつべきでしょうか?

インフルエンザワクチンは接種後2週間ぐらいで抗体ができはじめ、1から2か月で効果が最も高くなるとされています。効果は徐々におちるものの5か月くらい持続します。例年なら寒くなるとインフルエンザが流行するので、11月~おそくても12月後半くらいに接種をすすめていました。しかし、今年はインフルエンザの流行がすでに始まっています。感染のピークがいつ来てもおかしくないので、重症化しやすい基礎疾患のある方や、高齢者は早めに接種してはどうでしょうか。一方、インフルエンザに感染しても基本的に重症化しにくい人(若く基礎疾患のない方)は、上記で述べたように、接種後1-2か月の効果がmaxで徐々に効果が落ちると考え、高校3年生ならセンター試験や大学入試、一般の方なら冬休みの旅行など大事なイベントが控える時期から逆算して接種するのも一つの考え方かもしれません。ただし12月末で接種を終える医療機関も多いのでご注意ください。

当院でもワクチン接種の予約をうけつけています。ホームページからネットで予約できるようになっていますので、ぜひご利用ください。

寒暖差の激しい季節になってきます。みなさんお体に気をつけてください。