コロナに負けるな➁ プール前に、お子さんの耳垢のチェックを(三重県伊勢市小俣町の耳鼻科病院)
こんにちは。やのはらクリニック院長の矢野原 元です。
関東のほうでは、連日多数の新型コロナウイルスの感染者がでています。
しかしながら、重症者や死亡者が多数でているとは報道されていません。
日本で重症者が少ない理由は様々な議論(マスクの着用率、生活様式、BCG接種、ウイルスの型、医療レベルなど)がありますが、どれも確証はなさそうです。おそらく複合要素だと思います。今後、この理由が解明されていけば、ウイルス克服の手がかりになるかもしれません。
先日、3歳の娘とスーパーで買い物をしていた時のことです。
娘が持っていたおもちゃを落としてしまいました。
僕が抱っこしていたため、両手がふさがっていました。
すると、近くにいた老女が拾って娘に渡してくれました。
老女はふと気づいたように言いました。
『私がおもちゃに触ってよかった?ばい菌が付いたかもね。あとで洗ってね』と。
最初、言葉の意味がよくわかりませんでしたが、感染予防の観点から言ってくださったようでした。
もちろんお礼を言って別れましたが、すごく寂しい気持ちになりました。
私たちが住む伊勢市を含む地方は、東京などの都会にくらべて不便なことが多いです。
しかし、地方では人と人が助けあって、その不便や経済的な不利をカバーしています。
娘を連れて散歩していると、必ず知らない誰かが声をかけてきます。時には隣人が野菜をくれることもあります。
釣った魚の干物や、作ったゼリーをクリニックに持ってきてくれる患者さんもいます。
近くのスーパーに行くと、患者さんに絶対に会います。
逆に言うと、伊勢市で他人とかかわらず生きていくことは困難です。
完全なテレワークが可能な会社が、伊勢にどれほどあるでしょうか?
今回の新型ウイルスには、幸い人類を滅亡させるような力はなさそうです。
将来、人類は新型コロナウイルスを収束させることができると思います。
しかしその前に、大事な人と人との関わりが、ウイルス流行によって引き裂かれようとしています。
それはコロナウイルスとの闘いで、本当の敗北を意味します。
みなさん、ウイルスが収束するまでは『適度な』Social Distanceを保ちましょう。過度に人を避けたり、年齢や居住地や職業による分断はやめましょう。
どうせ人は一人では生きていけないのです。
話は変わりますが、今年は耳鼻咽喉科学校検診がすべて延期になっています。
例年であれば、プール前に耳内のチェックをと、5月に学校検診をすることが多いです。
例年、検診では耳垢がつまった状態『耳垢栓塞』の児童がたくさんいます。
耳垢がつまった状態で、洗髪やプールなどで耳に水が入った場合耳垢が水分を含んで膨張するので、外耳道を閉塞させて聴力低下を起こすことがあります。それを放置すると外耳炎を起こすこともあります。
お子さんの耳をのぞいてみてください。
耳垢で外耳道がふさがっていませんか?
もし耳垢が除去できない場合は、遠慮なく受診してください。