2021 インフルエンザワクチンについて(三重県伊勢市小俣町耳鼻科病院)
みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。新型コロナウイルス感染症は、8月末から9月前半にかけては三重県でも猛威を振るいました。当時三重県でも、自宅待機者が増え、保健所のキャパ越え、また医療崩壊が現実に起こっていました。しかし、9月中旬から後半にかけて、劇的な感染者減少となりました。今のところ、確実で説得力のある減少理由をみつけられませんが、少なくともみなさんの自粛努力と、ワクチンの効果はあると考えられます。ワクチンの接種率ですが、2回目接種した人が9月28日時点で、日本全体で約52.90%、私たちの三重県も52.91%とのことです(政府CIOポータルより)。半分以上の人が2回目接種を終えたことになります。引き続き、今後も若者を中心に接種がすすむと考えられ、次の感染の波が小さいものですむように(特に死亡率が少ないように)期待したいです。僕も、引き続き集団接種の問診医などで積極的にかかわっていきます。
さて、コロナワクチンを2回接種した人にとっては、飽き飽きで嫌な話ですいません。インフルエンザワクチンの話です。当院でも10月1日より予約を開始します。今年から、ネット上でワクチン予約をできるようにしましたのでご利用ください。当院では13才以上の患者さんを対象にさせていただきます。13才未満の患者さんは2回接種が推奨されています。申し訳ありませんが小児科などでの接種をご考慮ください。数に限りがありますので、『完全予約制』とさせていただきます。
方法は当院のホームページの下記の『ネット予約はここをクリック』をクリックしてください。
通常診療の順番予約は『診療』をクリック。インフルエンザワクチンの予約は『インフルエンザワクチン』をクリック。
当院初診の方(診察券番号のない方)は『当院初めての方はこちら』をクリック。当院の診察券番号のあるかたは『予約する』をクリック。
その後指示に従って、予約ください。今年は、ワクチン供給量が少なく、いつどれくらい入荷できるかがわからないです。予約終了となっても、後日再開していることがあります。接種希望の方は、時間をおいてその都度アクセスしていただけると幸いです。
新型コロナワクチン2回接種で『ワクチンはもうたくさん💦』や、昨年のインフルエンザの流行がなかったことから、インフルエンザワクチンに積極的になれない方も多いと思います。しかし、昨年以外は冬になるとインフルエンザの流行が見られることが多いです。我が国では1シーズンに少なくとも数百万人、多い年は1千万人以上の罹患者が発生するようです。今年が昨年のようになるのか、以前のように流行するのかは全くわかりません。今年の夏にRSウイルスが大流行したことを考えると、インフルエンザの流行がないとは誰も言えないと思います。
インフルエンザは感染してから1から3日間ほどの潜伏期のあとに発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、咳、鼻汁などの症状が現れ、約1週間ほどで改善するのが典型的経過といえます。
特に高齢者や、慢性疾患(循環器、呼吸器、腎臓疾患、糖尿病など)をもつ患者さんは重症合併症などで、少ないですが致命的になることもあります。致命的にならないまでも、罹患すると仕事や学校を長期に休むことになってしまいます。
そうならないために、ワクチン接種が行われます。
☆インフルエンザワクチンの効果はあるのでしょうか??
確かにインフルエンザワクチンはほかのウイルスに対するワクチン(例えば麻疹や風疹など)にくらべて、感染を完全に阻止する効果はないようです。しかし、感染しても発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関して一定の効果があるとされています。高齢者では34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果あったと報告されています。小児を対象にした、ある研究では発病防止にたいするワクチンの有効率は60%と報告されています(インフルエンザ予防接種ガイドラインより2021版)。簡単に言うと、『ワクチン接種しても感染は0にはできないが、感染してもひどい症状になりにくい。』と言えます。あらためてこの数値と比べてみると、新型コロナワクチンの当初の効果のすごさがわかります。
☆ワクチンは接種すべきなのか?
僕自身は毎年接種しています。もちろん、職業上接種すべきということもあります。診察する側の医師が感染することはできるだけ避けたいです。『ワクチン接種のデメリットよりメリットが勝る』と、僕は判断しています。そのため患者さんにも接種しています。同様に新型コロナウイルスのワクチンも接種をすすめています。
☆いつ接種すべきか??
地域差はありますが、インフルエンザの流行が1月から3月に多いと言われています。ワクチンの効果が接種してから2週間後~約5か月間とされていますので、10月中旬から12月中旬までにはワクチン接種を行うことが適当といえます。
今年もインフルエンザの流行が少ない事を祈りながらも、しっかり対策をとっていきましょう。
☆現在新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、互いに、片方のワクチンをうけてから2週間後に接種できることになっています。