新型コロナワクチンを2回目接種しました。(やのはらクリニック三重県小俣町の耳鼻科病院)

皆さんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。

5月10日にワクチンの2回目接種をうけてきました。医療従事者の優先接種での施行です。高齢者や基礎疾患のある人に先駆けて接種となりましたが、日々の発熱患者さんの診察や、すでに伊勢市でも始まった集団接種での問診医など、積極的にかかわっていきますのでご理解をいただきたいと思います。

早速、5月16日(日)、伊勢市の高齢者集団接種会場での問診医をさせていただきました。予約した患者さんは、受付→問診→ワクチン接種→待機場で待機(15-30分)の流れになります。問診では患者さんから『質問攻め』にあうと覚悟していました。なぜならテレビで必要以上にワクチンの副反応がクローズアップされているように感じていたからです。また、ワクチンと因果関係が確かではない副反応症例なども報道されることもありました。問診で、一人一人に時間がかかるとスムーズに接種ができなくなります。何百人と一日で行う集団接種ではそれは致命的で、『密』を引き起こす原因にもなります。そのためできるだけ、わかりやすく説明できるように準備して行きました。

当日、基礎疾患や内服などのチェックが終わったあとに『最後に質問はありますか?』と聞くと、驚いたことに多くの患者さんは『なし』と答えるのです。『説明書をしっかり読んできた』『もうワクチン打つしかないんやろ!』『こんな生活早く終わらせたい』『はやく接種したくて、この日を待っていた』などなど、高齢者のワクチンに対するポジティブな発言が多いのに驚きました。問診は想定していたよりずっと早く進みました。

 

コロナ禍はもう1年以上続いています。高齢者はコロナ感染自体も重症化しやすいといわれています。家族や、友達に会えない生活をしている高齢者は多いと思います。旅行や宴会など、自粛している人がほとんどでしょう。また『医療崩壊』も高齢者にとっては切実です。当たり前ですがコロナ後の年月は、一般的に若者より短いです。このコロナ禍を、早くなんとかしてほしいと思う気持ちは若者より大きいのかもしれません。そしてコロナに対する、現在唯一の希望がワクチンであることを、本当によく理解されているのだと思います。それらが、ワクチンに対するポジティブな感情の理由だと思われます。

当日のワクチン集団接種は時間通り順調に進みました。副反応をただしく理解できていない高齢者が多いとの意見がでるかもしれません。また、抗体の持続期間、変異株への効果、数年後の副反応などわかっていないことも多いです。しかし、この『緊急事態』ではリスクがあってもワクチンにかけるしかないと思います。『大流行』をおさえるために短期間にできるだけ多くの人が接種する必要があります。

今後、何千万人と接種がすすむと、重篤な副反応や、色々な問題が起きると思います。その度におそらくメディアは大きく報道します。何千万人と接種すると、『アナフィラキシー』を起こす患者さんや、接種後にワクチンと関係なく持病を悪化させる人がもちろんでてくると思います。一つのニュースでも、ワクチンに対する感情がネガティブに変化する危険性があると思います。それがワクチン集団接種に悪影響がでないか心配です。

いずれ、若者にもワクチン接種の順番が回ってきます。その時に、高齢者のように当事者意識をもって、ワクチンにポジティブになれるか?健康で体力のある、コロナを怖い感染症と思えない若者が、高齢者と同様にワクチンを積極的に接種するか?多くの若者に接種していただくために、できるだけ簡単に接種できる仕組みが必要です。簡単な予約で、近くの場所での接種。もしかすると開業医での個別接種などもありえると思います。僕は伊勢市の接種が、できるだけスムーズにすすむように与えられた仕事をしっかり努めます。


上の写真はゴールデンウィークに行った、玉城町の『里山ガーデニングコンテスト』の写真です。地元住民と皇学館大学が協力して取り組む里山の保全活動のようです。里山の風景に、色とりどりの花が植えられています。今年のゴールデンウィークは、4才の娘と地元をたくさん歩きました。コロナの移動自粛がなければ、地元のこのようなすばらしい取り組みに気づけたでしょうか。コロナがなければ、花がこんなにきれいなものだと思えたでしょうか。

写真はアスピア玉城のものです。すごく気持ちがよいところです。きれいな芝生、散策路、地元の特産品の販売など。コロナがなければ、このような地元のすばらしい場所にも気づかなかったかもしれません

みなさん、ワクチンの効果に期待して、できるだけ前向きに、もう少し頑張りましょう。