昨年の日本の死亡者数について  (三重県伊勢市小俣町の耳鼻科病院やのはらクリニック)

みなさんこんにちは、耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。

連日暑いですね💦換気のため、クリニックの窓を開けていますので、院内が暑くなっており申し訳ありません(冷房はMAXでつけていますので許してください)。ネットで順番がとれますので、順番が来るまで、家や車でお待ちいただけると幸いです。

新型コロナ感染症は8月6日、感染者の累計が100万人を超えたようです。まさに、『第5波』がきているわけです。今回の波は、今までの波より大きくなりそうです。医療崩壊を防ぐために、今まで以上にコロナ患者以外も含めたトリアージ(患者の重症度に基づいて優先順位を決めること)が大事になると思います。

厚生省の発表した、昨年の2020年人口動態統計によるとすべての原因の日本全体での死亡者数は137万2648人と書かれています。1年を365日とすると、1日平均で3760人の人が、何らかの理由でお亡くなりになっています。このパンデミックのさなか、2019年(コロナ前)より8445人減少していたらしいです。マスクなどで、感染症(肺炎など)の死亡数も下がったようです。死因の第一位は悪性新生物(腫瘍)で37万8356人(1日平均で約1036人)、第二位は心疾患で20万5518人(1日平均で約563人)、第三位が老衰で13万2435人(1日平均で363人)、第四位が脳血管疾患で10万2956人(1日平均282人)第五位が肺炎で7万8445人(1日平均215人)となっています。肺炎は前年比でマイナス1万7073人も減少しているようで驚きです。(上記の1日平均は僕が勝手に計算しました、正式な発表ではありません。)

ちなみに、2020年の日本における自殺者数は21081人と発表されています。(警察庁の「令和2年中における自殺の状況」より)こちらは2019年より912人増えています。1日平均で約58人となっています。個人的には、この自殺数の多さにはいつも驚きます。

今回いろいろ調べてみると…。2020年交通事故死亡者数は2839人(1日約8人)。これは統計開始以降で過去最少だったようです。自粛生活の影響なのでしょうか?

一方新型コロナウイルスによると考えられる死者が15272人(2021年8月6日現在、2020年だけだと過小評価してしまうので、ここは延べ数で)と発表されています。新型コロナの問題が発表されてから、1年半くらい経過しているので(少し乱暴な計算ですが…)単純に約18か月として540日で計算すると、一日に約28人の死亡となります。おそらく2021年だけで計算すると1日の平均は上がるかもしれません。

(疾患によって総患者数が違いますので、死亡者数だけで簡単には比べられませんが…)ここで言いたいのは、コロナの死亡者数が他と比して少ないということではありません。日本には今日も、コロナ以外の病気と闘っている患者さんがたくさんみえるということです。

上記から、僕なりに思うことはあるのですが、ブログでは政治的な発言はしないことにしていますので少しだけ(笑)、新型コロナウイルス感染症は現在感染症法上の1-5類に属さない『新型インフルエンザ等感染症』の扱いをうけています。1類は『エボラ出血熱』など極めて致死的ウイルス、2類は結核など、5類は通常の季節性インフルエンザなどが定められています。現在、新型コロナウイルスは1類や2類に似た(もしくはそれ以上の)厳格な対応が取られています。そのため患者を診察したり、入院させるときに様々な制約があります。医療資源(人的資源や、個室やベッドなど)を、他の疾患の患者さんより必要とします。医療崩壊の原因の一つになると思います。

エボラや結核と同様の扱いをするべきウイルスでしょうか?エボラ出血熱が大流行している地域ではさすがにオリンピックは開けないでしょう。結核が大流行していたとして、今回のワクチンのように拒否する人がいるでしょうか?極めて致死的ウイルスなら、今回のようにワクチンの打ち手をどうする?なんて言っていられないと思います。

新型コロナウイルスの感染症法上の扱いの見直しを検討する時期ではないでしょうか?