みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原　元です。

4月19日、新型コロナワクチン接種1回目をうけてきました。

僕は41才の基礎疾患のない男性ですが、医療従事者向けの優先接種のため、本日施行となりました。

『優先接種』というと特別感がでますが、今後始まる高齢者の集団接種において、僕たちには問診を担当する役目などがありますので、接種会場でクラスターを作らないためにも、我々が接種を先にすることは必要だとご理解ください。

簡単に接種時の流れを書きます。市立伊勢総合病院の横に建てられた、大きなプレハブ内で接種しました。４日前に突然きた文書で日付と14時20分を指定されました。一人で自家用車で会場につくと、伊勢病院のスタッフが丁寧に、しかも慣れた感じで誘導してくれます。確実に余分な時間がとられたり、要領の悪い感じになり午後の診察に間に合わないことを想定していましたが、とにかくスムーズに進みます。受付、伊勢病院の医師による問診、看護師による接種と本当にスムーズにすすみます。接種は筋肉注射で少し痛いくらいで数秒で終わります。たった数秒ではありますが、やはり長く感じます。自分の鼓動が聞こえてきて緊張しているのがわかります。僕は、かなりのアレルギー体質で、問診にそのことを書いておりましたので、接種後30分の会場内での待機を指示されました。通常は15分の待機になるようです。待機場には、緊急担当と思われる医師と思われる方が数名おられ、問診担当の医師も含めれば、5人以上（未確認です）はみえたように感じました。とにかく、僕がここでアナフィラキシーで倒れても、この人数の医師がいたら何とか助けてくれるという安心感がありました。30分待機したあと、自家用車で普通に帰院し、午後の診察も普通にできました。極めて統制がとれており1時間たらず（待機30分いれて）で終了し、伊勢病院のスタッフには感謝と尊敬しかないです。接種後6時間で今のところ刺入部の少しの痛みくらいです。3週間後に2回目の接種を受ける予定です。

僕が接種したファイザー社のワクチンでは、発症予防効果は約95％と報告されています。（９５％とは、ワクチン投与した人の発症が５／１００００人に対して、ワクチン非投与の人の発症は１００／１００００人だったとのことです。）実に2０分の１に減少していることになります。驚異的な効果にみえますが、イギリスの新規感染者の激減をみると、納得するところです。1月初旬に新規感染者数が6万8千人とピークを迎えたイギリスでは、人口の約半数が少なくとも一回のワクチン接種を終えているそうです。。4月17日時点での新規感染者数は2,200人と激減しています。（イギリスではファイザー社製のワクチンが主ではないと思います）

副反応についてですが、日本で先行して接種した医療従事者を中心にした約2万人の統計では、2回目のほうが1回目よりも副反応が強く表れ、女性に多く、高齢ほど副反応が少ない結果だったようです。2回目は発熱があった人３８．１％（1回目３．３％）、全身倦怠感は６９％（1回目２３％）、頭痛は５４％（1回目２１％）いずれも1回目より高くなっています。アナフィラキシーと判断されたのは110万回接種中79件で米国や英国より多く報告されています。その原因は不明ですが、ほぼ全例で回復されているようです。（参考：厚労省新型コロナワクチンQ＆A）

最近患者さんから、『ワクチンの接種をうけて大丈夫か？』と質問されることが多いです。

僕を含む医師で、『ワクチンをうけても絶対に大丈夫』と言ってくれる医師はどこにもいないと思います。僕は『コロナワクチン1回目でアナフィラキシーを起こした人以外は、接種するメリットと副反応を天秤にかけて、自分で考えてメリットの方が高いと思えば接種しましょう。ちなみに僕は接種します。』と答えるようにしています。

変異株に対する効果や、抗体の持続性などの疑問は残ります。またワクチンによって、新型コロナウイルスの根絶は難しいと思います。しかし、パンデミック（世界的大流行）の終焉をめざして、ワクチンには期待したいです。そのためには、できるだけ同時多発的（これが今の課題で政府に期待）に接種することが望ましいと思います。

僕も医療従事者として、優先的に接種しましたので、伊勢地域の集団接種で指名された仕事を積極的に努めたいと考えています。

今年も、淋しいゴールデンウィークになると思われます。遠方の家族と1年以上あってないという方もいるでしょう。こんなに自粛生活が長くなると『不安やストレス』の心身面への影響が心配されます。元気ない患者さんには、『現在の状況で不安やストレスがあるのは普通で、心晴れやかな人の方が少ないでしょう』と伝えるようにしています。僕は、ストレス発散に歩いて出勤するようにしています。家からクリニックまで５００ｍくらいですが…(笑)　距離より、朝日を浴びることが精神面で重要と考えています。

みなさんワクチンの効果に期待して、コロナ後を楽しみにして頑張りましょう。