『伊勢地区医師会准看護学校の最後の生徒募集』伊勢市小俣町耳鼻科やのはらクリニック

みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニック院長の矢野原元です。
6月の木曜日はだいたい学校検診に伺っています。僕は小俣小学校、小俣中学校、度会小学校、度会中学校、明野高校、皇学館中学校、皇学館高校、特別支援学校玉城わかば学園に行っています。開業医になると勤務医の時と違い、自分の存在価値を重要と思えることが少なくなります。そんな自分が検診などで地域社会に貢献できることは自己肯定感を高めるためにもありがたいです。特に特別支援学校や宮川医療少年院の子供たちの診察は難しいことも多いですが、積極的に受け入れていきたいと考えています。
もう一つ、大切な医師会の仕事が伊勢地区医師会准看護学校の授業です。准看護学校は『2年間で准看護師という資格が取れる』学校です。
開業医としてクリニックを経営する中で、その重要性を実感するのが「看護師」の存在です。クリニックにおいて、看護師さんは医師と患者さんを繋ぐ大切な架け橋です。患者さんがちょっとした体調の変化や、医師には少し聞きづらい不安を口にできるのは、看護師が持つ親しみやすさと、日ごろから鍛えられた強力なコミュニケーション能力のおかげだと思います。おそらく、それらの親しみやすさやコミュニケーション能力は、これからどれだけAIやロボットが発達していっても、取ってかわられることがない能力だと思います。そのため、今後も看護師という職業は必ず残る仕事だと思います(むしろ我々医師はロボットやchatGPTに負けて、いなくなるかも)。
一般の方にとって、『准看護師』は聞きなれないかもしれません。簡単にいうと准看護師は、看護師が国家資格であるのに対し、都道府県知事が交付する免許であること。また法律上「医師や歯科医師、看護師の指示を受けて」業務を行うと定められています。そのため、准看護師が単独で看護計画を決定したり、他のスタッフに指示を出したりすることはできません。実際の医療現場(特にクリニック)では、採血、点滴、バイタルサインの測定など、行う処置自体に大きな差がないことも多いですし、当院でも准看護師に看護部門の責任者になってもらっています。最短2年間で資格を取得し、すぐに地域社会に貢献できるこの職業は、地域医療の現場において極めて大きな価値を持っていますし、多くのクリニック院長が求める必要な戦力なのです。
しかし、少子化や(大学の看護学部への)進学志向といった准看護学校の生徒数の減少により、全国でも准看護学校の閉校が増えています。伊勢地区医師会准看護学校も、生徒数の減少や教員の不足から残念ながら令和11年3月で閉校が決まりました。そのため今年度が最後の生徒募集になるようです。
このようなブログを書くのですから、准看護学校の宣伝になるかもしれません。ここではっきり申し上げたいのは、自分の娘が高校卒業時に看護師をめざすと言えば、間違いなく大学の看護学部を勧めると思います。なぜなら将来、指導者や研究者や認定看護師になりたい人、保健師や助産師の資格にも興味がある人 、大学病院や先端医療の現場で働きたい人 、高校を卒業したばかりで時間的経済的に余裕があり、一般的な大学生活を満喫したい人(笑)などは最初から大学の看護学部入学をめざすべきです。
一方、准看護学校はコストと時間を最小限に抑え、最短で自立・就職したい人、特に他業種からのキャリアチェンジを目指す人に強いメリットがあると思います。1日も早く働き始めたい、経済的に自立したい人、学費を抑えたい、子育てをしながらや、働きながら学校に通いたい人(准看護学校の多くは、午後半日クラスや週3日通学など、働きながら通えるカリキュラムを組んでいます)、将来の勤務先として「クリニック」や「介護施設」を考える人(当院でも、看護師と准看護師で給料に差はありません、前述とおり責任者は能力のある准看護師にしていただいてます)。上記にあてはまる人は准看護学校が向いているのではないでしょうか?
僕は大学病院勤務時代、一般の看護学部の耳鼻科の授業を3年ほどさせて頂きました。生徒のほとんどが高校卒業したばかりの20歳前後でした。授業が始まると、半分くらいが寝てしまい、授業後にあるであろうバイトやサークル、あるいは飲み会の準備時間のようでした(笑)ある子は枕や毛布まで準備していました(笑)『授業のスライド作りに何時間かかると思ってんねん(怒)こっちは手術のあと徹夜して準備しとんねん(怒)』と思うのですが、じつは僕も学生時代は、寝ていた(寝るどころか出席しない)学生でしたので怒ることはできません。それでも悔しいので『テストの点が悪ければ単位落としてやる』と思うのですが、一人でもテスト落とすと、もう一度テスト作りと採点をさせられるのです。当時は勤務医として働きながらでしたので、再試を作る時間はなく、だれでも合格できる簡単なテストを作るしかありませんでした。
一方、准看護学校は違います。年齢は若い方〜僕より年上と思われる方まで。覚悟が違います。みんな真剣です。子育てをしながらの女性や仕事をしながらの人もいるでしょう。勉強できる時間は限られます。一度入った会社や業界と合わず、背水の陣で医療界に飛び込んでくる男性もいるでしょう。2年で必ず免許を取るという意気込みが大学生とは全く違います。そのため、試験合格率、就職進学率は100%のようです。
興味を持たれた方がいれば『伊勢地区医師会准看護学校』で検索してみてください。

立派なホームページもあります。夏にオープンキャンパスもするようです。

2年で免許がとれる伊勢市の准看護学校の最後の学生募集になります。この文章を読んだ方の一人でも、教室でお会いでき、卒業後一緒に働けたら本当にうれしいです。