舌下免疫治療について(三重県伊勢市小俣町の耳鼻科病院やのはらクリニック)

みなさんこんにちは。耳鼻咽喉科やのはらクリニックの院長の矢野原元です。

ブログの更新が約4か月ぶりになってしまいました。1月30日より、新クリニックでの診察を開始し慣れないうちに花粉シーズンに突入しました。駐車場の工事も途中だったため、患者さんには大変ご迷惑をおかけしました。今年はスギ花粉も、ヒノキ花粉も大量飛散した日もあり、大変多くの患者さんに来院いただきました。1日に300人を超える患者さんがみえる日もあり、話しすぎて僕自身の声が枯れてしまい、患者さんにうまく説明できないこともありました(選挙中の政治家みたいな声になりました)。今年の花粉が猛威をふるい、一般的な治療では効果が乏しい患者さんも多く、目をパンパンに腫らしてくる子供たちをみて、耳鼻科開業医として無力さを感じることもありました。

そこで、今回取り上げたいのが「舌下免疫療法」です。

アレルギー性鼻炎(含花粉症)は、アレルゲン(または抗原)と呼ばれる原因物質(ダニ、スギ花粉など)によって引き起こされます。舌下免疫療法とは、その患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンを、少量から徐々に量を増やし繰り返し投与することにより、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)も期待されます。舌下免疫療法は、アレルゲンを舌の下(舌下)に投与する治療法で、現在、スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対して行われています。

簡単に言うと、アレルギーの原因物質(スギかダニ)を少しづつ長期(約3-5年)に体内に吸収させることで、慣れさせる治療法です。

☆適応患者さんは

①5歳以上(舌下錠を毎日服用できる)でスギ花粉症またはダニアレルギーの診断が確定している患者さん。
➁花粉症の時期に内服薬や点鼻薬などで症状を十分にコントロールできない患者さん
③内服の減量を望む患者。
➃薬物療法で望ましくない副作用が現れる患者

個人的に良い適応と思うのは、これから数年後の春に入試などの大事なイベントを控える子供たち。妊娠を予定していて、内服がしにくい女性。あまり、こういう場所でかくべきではないが、医療補助がでて医療負担が無い子供たち(←今後大人になって花粉症で医療費負担が大きくなることを考えれば、子供の時に花粉症を完治させておくことが、医療財政的にもよい可能性あります。)

☆最も大事な有効性ですが。

一般的に舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の患者さんで有効性が認められています。スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法においても、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。(以上、スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引きより)

☆デメリットもあげさせていただきます。

①治療には3-5年間毎日服用しなければいけません。1か月に一回の受診も必要です。

➁20%の方に効果がないとの報告もあります。

③理論上はアナフィラキシーなどの重大な副作用が起きる可能性があります(現在、軽微な副作用のみ報告されています。例えば、口内炎、舌の腫脹、口の腫れなど一時的なもの)

 

今年の花粉症で本当につらかった患者さん、舌下免疫療法に興味をもった患者さんは、診察中に僕に質問していただければ、詳しく説明します。

ここまで書いた後で、本当に申し訳ありませんが、現在舌下免疫療法の薬(シダキュア)のメーカーから出荷制限の通達がきております。おそらく、今年の花粉症が猛威をふるったため、舌下免疫を希望される人が多くなる見込みで安定供給が困難になる予想とのことで、新規導入がしばらくできないようです。また情報がありましたら、ホームページでお知らせします。舌下免疫希望の方は来院前に一度クリニックにお電話いただくか、ホームページを確認ください。